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●銃声が必要な曲 | |
音楽の都・ウィーンで活躍し、『ワルツ王』と称されたヨハン・シュトラウス2世は、数多くのワツルやポルカ、行進曲、そしてアペラを作曲している。 | |
この銃声、日本で行われる演奏会で圧倒的に多く使用されているのは、陸上競技等でスタートの時に使用するピストルを撃つ方法である。 この競技用ピストルは、『トーエイライト』『エバニュー』『ニシ・スポーツ』等のメーカーから発売されており、紙式の雷管(火薬)をセットして音を出す仕組みで、単発式と双発式(フライングの時など連射する)がある。 | ![]() |
ネット上を調べてみると、名古屋フィルハーモニー交響楽団の打楽器奏者・荒川さんのHP『打楽器の演奏法』の中の『演奏雑感』の文中に、 「運動競技会などで使う二連式のピストルを使ったが、音量 が大きすぎるので使っている火薬量を減らそうとしていたら火がついて、指に水ぶくれができてしまった」 「以前演奏した時、耳元近くで撃ってしまい何ヶ月も耳鼻科に通 った」 等の内容の文章があった。 続いて 「これから『狩』専用の火薬を特注しようと思う。ついでにダイナミクスも表現できるように火薬の量 を調整できれば便利かも」 と書かれているのには『さすが!』と思った。 | |
競技用のピストルには、こうした昔ながらの火薬を使うピストルの他に、スピーカーに繋げて発射音等を鳴らす『電子式スターターピストル』という商品もあるので、火薬が使えない会場であれば、これを使う事も選択肢に入るのかもしれない。 勿論、音源サンプリング方式のシンセサイザー等を使うという手もあるのであろう。 しかし、これらの方法では、音はともかく、見た目はあまりスマートでは無い気がするのは私だけだろうか? | |
●楽器としてモデルガンを検証する | |
そこで『使用楽器』として浮上してくるのが『モデルガン』である。 |
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では、モデルガンなら何でも演奏に使えるかと言うとそうではない。 実際の銃は、大別(色々の考え方があるのだけれど…)すると拳銃と小銃に分類出来るのだと思う。そして拳銃はその仕組みから、回転式のシリンダーに弾薬を詰めて発射するリヴォルバー式と、弾丸を発射した反動を利用して空になった薬莢を銃の外に排出するオートマチック式に分けられる。 |
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▲中央の回転式シリンダーに銃弾を込めて使用するリヴォルバー式拳銃 | ▲シリンダーが回転して連続して撃つ亊ができる。使用済みの薬莢は、全て撃ち終わってから排出する |
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▲グリップ部分に銃弾を込め、発射の反動で使用済みの薬莢を銃の外へ排出するオートマチック式拳銃 | ▲薬莢の排出の状況の写
真を入れたいけど・・・ 準備中 |
モデルガンでは当然銃口から弾が飛び出す事は無いのだが、オートマチック式のモデルガンは、銃を撃つ度に空になった薬莢は実銃同様に銃から外に向かって排出されてしまう。 この方が本物の銃をリアルに再現した事は間違いないのだが、周囲に楽器が置かれた状態で『楽器』として使うには、周囲に金属の薬莢がバラ播かれるのはかなり問題が多いので、使用するのであれば拳銃タイプであればリヴォルバー方式という事になる。 |
ただ、本当の狩りで使用される銃は主に小銃の方で、ライフル銃や散弾銃が使用される。 演奏する曲が『狩り』をイメージしているのであるから、モデルガンもこうしたライフルや散弾銃を使用したいのであるが、エアガン・ガスガン全盛の現在、発火させるタイプのライフルや散弾銃のモデルガンで入手か簡単なモデルは本当に数少ない。 一番入手しやすいのが、西部劇で良く使われているウィンチェスター銃であるが、この銃ではあまりにも西部劇のイメージが強すぎる上に、オートマチック拳銃同様にレバー操作によってで金属製の空薬莢が銃の外に排出されてしまう。 |
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その他ではライフル狙撃銃も発売されており、雰囲気的にはこれがピッタリなのだが、比較的高価な上にやはり使用済みの薬莢が銃の外に排出されるという問題が発生する。 散弾銃タイプも殆どが空の薬莢(カートリッジ)を銃の外に排出するタイプであるが、中には水平2連式の散弾銃というタイプがある。このタイプは中折れ式で、弾込めの方式は手動なので空薬莢を辺りにバラ播く事は無い。 |
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▲銃身下の部分を前後させる事で弾を送り込むポンプ式散弾銃 |
という訳で、演奏に一番向いているモデルガンはこれだと思うのだが・・・ |
●おもちゃの銃を使うという方法 | |
まあ今まで長々と書いてきたのは、ハッキリ言ってしまうと半分は今頃になって『モデルガン』を買い始めてしまった言い訳であるが、演奏の上でもっと経費を掛けずに銃声を『演奏』するのには、『おもちゃの銃』を使うという方法がある。 |
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▲一応リヴォルバー式だが、中折れタイプで火薬は8発セットできる。当然だが100円である。 | ▲こちらが火薬である。8発セットが12個付いている。こちらは銃とは別 売りだが、やっぱり100円 |
2007年に清水フィルで演奏した時には、指揮者は銃に関して次の様な注文を出して来た。 |
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