Smith & Wesson:Model 3 Schofield Craft Apple Works
 多くの兵士に利用されながらも、その口径の小ささから制式に軍で採用されない Model 2 Army に代り、1870年に『スミス&ウェッソン:Smith & Wesson(通称S&W)』が発表したのが、Model 3 である。
 このModel 3 は、44口径の金属薬莢を使用するモデルで、発火方式も従来のリムファイヤー式からセンターファイヤー式に変更された。また、口径が大きくなった事でフレームも大幅に強化されて、中折れ式ではあるが上に折れるチップ・アップ方式ではなく、下に折れるトップ・ブレイク方式が採用されている。
 このトップ・ブレイク方式の採用と共に、薬莢の装弾もシリンダーを取り外す方式から、中折れ式に連動したイジェクターのシステムに代った事で、より早く確実に行えるように改良された。

Model 2 と違い、銃身が下に折れる構造になっている。
また、シリンダーは
そのままでは外れない。

銃を折る事で、シリンダー内部から薬莢を押し出すシステムが装備された。
 
 Model 3 の評判は賛否両論であったようだが、アメリカでの発表から2年後の1872年、ロシア皇帝からの発注を受ける。これがS&W社にとっては初の大量 受注と輸出となった。
 このロシアで採用された Model 3 は、Russian Model と呼ばれて(アメリカ国内モデルは American Model )グリップ周辺の形状に違いがあるが、基本構造はあまり変わらない。また、このRussian Model はロシア経由で日本にも渡り、明治時代の日本国海軍で壱番型拳銃という名称で導入された。
 S&W社では、ロシアと同様に Model 3 をアメリカ国内でも軍の正式採用させるべく、アメリカ陸軍のジョージ・W・スコーフィールド少佐のアイデアを基に幾つかの改良点を加え、口径を44から45にしたモデルを1875年に発表する。これが上の写 真にもある Model 3 Schofield である。
 この Model 3 Schofield はアメリカ陸軍のトライアルにかけられて、一部採用とはなったものの、残念ながらこの時正式採用となった銃はコルト社のSAAであり、この後1891年までアメリカ軍ではコルトSAAの時代が続くことになる。

 写 真の Model 3 Schofield は、M1851 Navy や、M1861 Navy と同様クラフト・アップル・ワークスのモデルガンである。
 トライアルでSAAに敗れたとは言え、この中折れ式のスタイルは一種独特の魅力があると思う。またクラフト・アップル・ワークスでは、写 真の通常モデルの他にも、銃身を5インチに切り詰めたウェルスファーゴというモデルも製作しているが、現在はどちらも品切れの状態である。

 この銃も Model 2 Army 同様、映画にはあまり登場しないが、M1851 Navy のページでも名前を出したクリント・イーストウッドの監督・主演の1992年のアメリカ映画『許されざる者』(アカデミー監督賞をはじめ、数多くを受賞)に登場する。
 かつてアウトローで、現在は平和に暮らしている主人公マーニーに、賞金首を倒しに行く話を持ちかける若者キッド(スコーフィールド・キッド)が手にしているのが、この Model 3 Schofield である。
 そして、銃に拘りのあるイーストウッド扮する主人公の手には、1856年にニューヨークで設立(1867年に倒産)された『スタール・アームズ・カンパニー:Starr Arms Company』という超マイナーな銃が握られている。

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