Colt:M1951 Navy 2nd Craft Apple Works

 ハンマーを起こす事でシリンダーが回転して次の弾が発射する事がを出来る『シングルアクション機構』を発明し、特許を取得してたサミュエル・コルトが1836年に創業した『コルト特許火器:Colt Patent Firearms(通称:コルト)』は、銃の歴史では必ず名前が登場するアメリカの老舗銃器メーカーである(現在の社名はコルト・ファイヤーアームズ)

 コルト社は1836年にニュージャージー州パターソン工場で、パーカッション式のシングルアクション・リボルバー拳銃『パターソン・モデル』を発表した。しかし、このモデルは高価で、銃器としては取扱いがデリケートであったため、商業的には成功とは言えなかったそうである。
 1847年、コルト社はアメリカ陸軍のサミュエル・ハミルトン・ウォーカー大尉の協力を得ながら、44口径のモデル、M1847『ウォーカー・モデル』を開発した(因に1860年・万延元年に日本の桜田門外の変で、大老井伊直弼に向けて使われた銃はこれだと言われている)
 翌1848年『ウォーカー・モデル』を軽量化した44口径のM1848『ドラグーン・モデル』を開発し、これがアメリカ陸軍の制式拳銃に採用されている。
 そしてコルト社では、1851年に『ドラグーン・モデル』を更に軽量化したM1851を開発。これがコルト社が製作したパーカッション式のリボルバーとしてはアメリカ国外も含め最も売れたモデルとなった。

 M1851には、44口径の Army(陸軍)モデルと、38口径や36口径の Navy(海軍)モデルがあるが、上の写 真は、日本のモデルガン・メーカーであるクラフト・アップル・ワークスが発売している、36口径の M1851 Navy モデルである。
 クラフト・アップル・ワークスでは、トリガーガードの形状の違う 2nd、3rd、4thの3つのタイプに加え、銃身の長さが違うモデルなどのバリエーションを何種類か発売しているが、それぞれが武骨な形状の中にも機能的な美しさの魅力があると思う。

銃弾を装填する為に、特殊な工具を使わずに、シリンダーを取り外す事が出来る。銃身下のレバーを下げて、銃弾をシリンダー内部に押し込む。


 私が子供だった頃、テレビでは映画でも西部劇ブームという状態があったと記憶しているが、当時の清水市(というより静岡県)には民間テレビ局の数が少なかったため、私自身はそれ程テレビで西部劇ドラマを見た記憶は多くはない。どちらかというと、洋画劇場などでは放映された西部劇映画を見た記憶の方が多いと思う。
 M1848 と M1851 のモデルはアメリカ南北戦争の勃発直前まで現役の銃であったので、その当時を舞台にした映像にはもっと登場しても良いのだが、子供の頃の記憶では、登場する銃は殆ど1873年に開発された『シングル・アクション・アーミー(SAA)』であったと思う。どうもこれは、取扱いが難しくこれらのモデルを撮影で使用するのが大変であったため、入手しやすい SAA の銃身の下にパーツを取り付けてM1851に似せて撮影した事などもあるようである。

 M1851 が映画で活躍するのは、何と言っても1976年のアメリカ映画『アウトロー』だと思う。銃には拘りを持っているクリント・イーストウッドの監督・主演映画であるだけに、M1851が大活躍である。
 この映画では何丁もの銃を身に付けた主人公が、ワンマン・アーミーとして描かれている。そしてラストシーンでは、弾が切れた M1851 の引き金を引きながら家族の敵を追い詰めていく主人公の姿が印象的なのである。

映画『アウトロー』から 写 真はM1851 Navy だと思うがドラグーンかも?
 
 公開当初この映画を見た時に「カッコイイ」と思ったのと同時に、「何で新しく弾を込めないのか?」と疑問を持ったが、今考えてみればパーカッション方式の銃では、そんなに簡単に弾の装填などは出来ないのである。これもリアルさに拘ったイーストウッドの演出なのかと思う。

 また、1969年に西部劇の大御所であるジョン・ウェインを主演に製作(ジョン・ウェインはこの作品で念願のアカデミー賞を受賞)された『勇気ある追跡』にはM1848(ドラグーン)が登場する。
映画『勇気ある追跡』から
下の写真の後、銃の発射の反動で彼女は毒蛇のいる穴に落ちてしまう。
 
 この銃は、悪漢に殺された父親の敵を討つために、ジョン・ウェイン扮する片目の保安官コグバーンを雇う少女が持っている父親のの遺品の銃で、この少女によって2度発砲されるが、その反動で後ろに吹き飛ばされてしまっている。そして、ラスト・シーンで少女がコグバーンに「この銃を持っていて欲しい」と差し出すなど、印象的な使われ方をしていた。
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