おさけの話


 マール(グラッパ)

「マール」という酒はブランデーの一種である。
 ブランデーがワインを蒸留して造られるのに対して、マールはワインを造った搾りかすを蒸留して樽で寝かせて造られる。
 イタリアで同じ様にワインの搾りかすを蒸留して造られているのが「グラッパ」だが、こちらは蒸留後に樽で熟成をしないので、無色透明のままである。

 そういった製法のお酒なので、元々はあまり高級なお酒ではなく、地元での消費が多かったそうだが、この頃は日本の酒屋でも目にするようになってきた。
 私が行く酒屋では5〜6種類のマールを置いてあり、それぞれを飲み比べてみたが、味にはかなりの違いがあった。

  このマールというお酒は、ブランデーと同じ様に香りが強いのだが、私の感じではブランデーより荒々しい感じがして好きなのである。これを飲むようになってから、どうもブランデーがしっくりこなくなってしまった。
 グラッパも時々購入してきて飲むことがあるが、マールに比べて味に当り外れはないような気がする。
 どちらも、口当たりが良い(と私は思っているが、嫌がる人も多い)ので、気が付くと結構な量 を飲んでいて、翌日が辛いお酒である。


 ワイン

 私が「ワイン」が好きなのかどうかは、実を言うと自分でも良く解らない。
 もちろん、フランス料理やイタリア料理などのお店にいけば、ワインを注文するし、休日の昼に自分でパスタなどを造った時もビールではなくてワインを開ける場合もある。
 しかし、正直言ってワイン好きの人達が言う程、私はワインが美味しいとは思わない。
 甘味がある、イタリア・ワインやドイツのモーゼル・ワイン、日本の有機栽培の葡萄を使って造ったワインなどはそこそこ好きなのだが、数万円もするフルボディのワインは「重厚さ」は感じる(そんなに飲んだ事ないけど…)が、どうもそれが「美味しい」という感覚に結びつかない。
 まあ、これは私の舌が研ぎ澄まされていないからなのかもしれないが、それで特に困った事がある訳でもないので構わない。

 でも、少しクセのあるチーズをつまみながら飲むワインは、やっぱり美味しく感じるのである。


 ビール

 ビール…
 う〜ん。これもワインと一緒で好きなのかどうか解らない。
 そもそも私は、ビールをお酒としてではなく、清涼飲料水の一分野として自分の中で分類しているような気がする。
 勿論、夏の暑い日に飲む冷えた生ビールは美味しいと思う。でも、それを何杯も飲みたいとは思わない。
 夏が近づけば、自宅でも仕事から帰ればビールを飲むが、ビールを飲みたいのか…というと、他のお酒を飲む前に「ビールで咽をスッキリさせておきたい」という気持ちの方が強いのかもしれない。

 現在自宅に買い置きをしてあるビールは、エビスビールと、同じくエビスの黒ビールである。
 御中元などで頂く、アサヒのスーパードライは、あまり好きではないので、人様に差し上げてしまっている。(下さってる方がいたらゴメンナサイ。)
 しばらく前まではキリンのLIGHTを常備していたが、数年前に生産中止になってしまった。
 私にとっては好みの味であったのだが、どうも売れ行きは良くなかったようで、近所の酒屋でも注文しないと入って来なかったし、その酒屋でキリンのLIGHTを買うのは、我が家だけのようだった。
 生産中止の後、様々なビールを試してみたが、どうも今一つピンと来ない。
 新商品が出る度に一応は試して見るのだが、何だか「これ!」というものに巡り合えない。
 発泡酒も色々飲むのだが…

 エビスビールではやらないが、LIGHTの頃には、夏場はビールにレモン汁を少し垂らして飲むこともあった。南米の方の飲み方という事で、何かの本で紹介されていたからで、勿論現地では生のレモンを絞って飲むと書かれていたが、思いついた時にすぐに飲めるよう、何時も冷蔵庫にビン入りのレモン汁を入れておいた。
 サッパリしていて、スッキリして、私の嗜好には合っていたのだが…
 つくづくキリンのLIGHTが無くなったのが悔しい。

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