演奏会のプログラムから
 

 ブラームスの練習が行われた、とある日曜日。宇野先生と新星日響で共演された佐藤慶子先生に“一日トレーナー”として来ていただきました。
 当日は 1st Vn のトップサイドで演奏しながら、細かいアドヴァイスを与えて下さいました。その強く美しい音に団員はびっくり。練習後に感想をお聞きしました。


 
 本日はお忙しい中、アンサンブルSAKURAの練習をご指導いただき、ありがとうございます。ご感想をお聞かせいただきたいのですが。
佐藤先生(以下S):そうですね…
   正直なところ、今日の段階だと、本当に本番やるの?っていうかんじだけど、本番までまだ少し時間があるからかな?
 それでもブラームスをやるんだから、もう少し楽譜をさらっておかないとダメ。
 
 佐藤先生はアマチュアのオーケストラというものを、どのようにお考えになりますか?

:プロのオケとは違って時間をかけてひとつの作品に取り組めるし、仕事ではなく、好きでやっている、って聴いている人に見えるから、アマチュアは好きです。
 

 佐藤先生は新星日響にいらっしゃった頃、10年以上にわたって宇野先生と共演なさっていたわけですが、その時の宇野先生と、SAKURAでの宇野先生の印象に、何か違いというものはお感じになりますか?

:いや、全然変わらないです。相手によってやり方を変える指揮者もいるけれど、宇野さんはそうじゃないね。
 それと宇野さんはいつも必ずどこかに『びっくり箱』を用意なさるんだけど、今日の練習を見ていて、『ジュピター』のあそこがそうなんだ!っていう発見がやっぱりありました。
 ブラームスに関しても、「こうなってほしい…」って思っていたところは、やはりそうなっていて感激。ひとつの枠にはまらない音楽は、プロもアマも求めているものでしょう。
 

 最後に本番にむけてのアドヴァイスをひとことお願いします。

:やっぱりもう少し楽譜を丁寧にさらうことかな(笑)。
 それと、ただブラームスを演奏したというんじゃなくて、「こんなブラームスやったぞ!」って言えるような演奏にしてほしいです。団員同士の丁々発止がもう少しあれば一層よくなるんじゃないかな。
 一回でも一緒に練習したので他人事じゃないですね。本番は楽しんでやってください。
 

 がんばります! 今日は本当にありがとうございました。
(この文章は2002年7月6日に行われた第13回定期演奏会のプログラムに掲載されました)
 
 
佐藤慶子先生のプロフィール
京都出身。堀川高校在学中、学生音楽コンクール高校の部・西日本第1位 。東京芸術大学卒業と同時にウィーン国立アカデミーに入学。1973年最優秀賞で卒業。
帰国後、東京ゾリスデン、東京フィルのコンサートマスターを歴任。1982年から1998年まで新星日響のコンサートマスター。2000年より東京芸術大学指揮科の非常勤講師を務め、後進の指導にあたっている。

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