金泥書(きんでいしょ)」とは、純度の高い金粉を膠(にかわ)の溶液で練り、紫紙や紺紙に筆書したもので、我が国では、天平時代に多くの金泥による書写 が行われました。
 その中の一つ「紫紙金字金光明最勝王経」は、奈良国立博物館に国宝として保存され、1200年後の今日でも天平の姿そのままに燦然と光を放っています。
 
 
国宝 金字金光明最勝王経 (奈良朝)奈良国立博物館蔵
   
 しかし、世界に誇れる日本古来の文化技術“金泥書法”は、謎の部分が多く、絶えたままとなっておりました。
 静岡市在住の福島久幸氏は、この解明が何より重要であると考え、正倉院文書をはじめとする様々な資料を紐解き、科学的実験を重ね、正確な分析と検証の結果 によって、金泥書法を解明、天平時代と同じ技法で教典の復元を成し遂げ、その成果 は各専門分野から高い評価を得ています。
   金泥書フォーラムでは、この福島氏の20年にも及ぶ研究過程において書き上げられた古典文学・古典科学の作品群を紹介すると共に、金泥書の復元方法についても紹介していきます。